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自分会議

昨晩仕分けた分の商品化。ネットアップ、値札付けなど。肉厚のフェルトが載っているかと見まがうほど多量の埃の付いた本や前所有者お手製のビニールブックカバー(1冊に付き4点をセロハンテープで固定した古本屋泣かせ)のかかった本が多く、クリーニング作業に時間がかかった。

前勤務先のポラン書房がこの2月で現店舗移転10周年とのこと。おめでとうございます。

古本屋が10年間も路面に店舗を出し続けるためには地域のお客様に広く認知されて信頼されなければならない、というのは若輩者の僕でも容易にわかることです。ポラン書房が「街の古本屋」のひとつの理想を体現していることは、百の言葉よりも10年経っていまもそこにあるという事実がよく証明していると思います。そのような店で働くことのできた幸運に感謝しています。

とはいえ、勤めているうちにもっとできることがあったのではないか、という思いがあるのも事実。

もしも時間をさかのぼれるとしたら。ポラン書房勤務時代の自分に声をかけて「おのれの未熟さと将来の不安から目をそらすためにあえて無軌道であろうとするのをやめて、やるべきだと思うことをやれ。仕事も生活もきっと積み重なってすこしずつ向上するから、毎日できる限りのことをやれ。不安や悩みに打ち込むことを誠実だと思うのはやめろ。飲み歩くな。遊び歩くな。他人に拠りかからず自分自身になれ。いま言ったこと全部できなくてもいいから貯金しろ(懇願)」と諭してやる。一方そのころ、現在の僕の部屋には10年後あたりからひとりの中年が訪ねてきて、長くて自分本位な説教を垂れて僕をウンザリさせているのである。


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