
百鬼園日記帖
午前中、各種連絡とルート便の受取、アマゾンアップ作業。午後中央市。大判を買う。アマゾンの商品点数を増やしたいと思いつづけながらいまの仕入れ方売り方ではアマゾンにまわす本を増やすのが難しかった。市場での落札相場との兼ね合いを考えるとアマゾン用は大判を中心にした方が良いのではないかと考えて試み。 内田百閒『百鬼園日記帖』を読む。百閒29歳~34歳の日記。数年前に読みかけて一度挫折。その続きから読んでいるのでところどころ前後関係が不分明だが、筋があるわけでもなし、数日分を読んでは本を閉じるの繰り返し。日々の付き合いと仕事に追われ、頼まれ仕事はぐずぐずと先延ばしにして借金と返済猶予延長のお願いに奔走、合間合間でお酒を飲む記録。それにひねくれものの恨み言と真心。途中から「円」「貸してもらい」「借りて」などの文言の含まれないページはほとんどないと思われるようになる。百閒自身が「憂悶と焦燥に終始」と顧みる時期。以前よりおもしろく読んでいるのはこれを書いた百閒の年齢がいまの僕に重なるからかもしれない。もたもたと仕事を先延ばしにし、いねむりし、余裕がないのにやたら

希望山積課題山積
24日、明治古典会ののち、桜台へ。絵本を置かせていただくことになっている4月オープンの雑貨屋さんの下見。まだ内装工事も始まっていない状態だったが、外からの見栄えやお借りするスペースの位置、広さなどを確認させていただく。桜台駅徒歩1分の交差点に面した路面店舗で人通りもありとても良い立地。 練馬へ移動し、昨年の創業セミナーでご一緒した皆さん(桜台の雑貨屋さんも創業セミナーに参加されていた方)と遅い新年会。はしご酒でしこたま飲む。 家に帰ったら鍵がない。居酒屋に忘れたが電車もなくもう戻れないので漫画喫茶で夜を明かそうと駅方面に引き返し、途中最近できたばかりの東横イン東久留米に泊るいい機会ではないか、と思い立ち、なんてすばらしい思い付きだ、と胸が躍る。とんでもない無駄遣いだが無駄遣いって楽しい!! と思って、日高屋で油そばを食べてから漫画喫茶に泊まった。こんな思考回路は理解不能である。これだから酔っ払った自分を信頼することができない。 25日、注文品の梱包、各方面への連絡、吉祥寺パルコの補充用紙モノの袋詰めなど座ってできることばかりし、ほとんど動かずに過

グランヴィル!?
22日、梅ヶ丘時々カフェさんへ。古本棚「まにまに古書店」の補充作業。ポップアップ絵本などを追加して今月分を清算していただく。売上的にはまずまずの滑り出し。店長さんと、補充は前回と今回くらいのペース(2週間に1回、2~3割程度入替)でちょうどよいのではないかとお話しする。今後委託販売先の新規開設予定が重なっているが、補充頻度についてはそれぞれの委託販売先のお店とお客様の傾向、置かせていただいている本の量と種類、事務所からお店までの距離、お店の方のご意向などを鑑み、販売先ごとに話し合って決めていく、というかたちにして一律にしない方がよさそう。 神保町へ。本部会館へまわり、中央市会大市落札分を整理して一部持ち帰る。帰って一度寝る。 起きてヤフオク出品作業。大市で買ったフランスの抒情詩人でシャンソン作者のピエール=ジャン・ド・ベランジェ(1780~1857年)の全集、19世紀中ごろの刊行で状態もよく、オークションで人気の高い銅版画などのイラストが多数収録されているのを見て入札したが、整理してみるとうち1冊の挿絵はグランヴィルの手になるものではなかろうか。

中央市会大市
20日、中央市会大市。大市は各市会が年に一度行う特別に大きな市。なかでも中央市の大市は抜きんでて巨大で、東京古書会館の地下1階から地上4階までが出品物で埋まり溢れた品物が階段にも隙間なく並ぶ。 出品自体が大量で、加えて大市を当て込んだ稀覯本の出品も多く、それらを目指して普段東京の市場にはお越しにならない地方の古書店もぞくぞく集う。手ぶらでは帰れない地方の方々の入れる札は強気なものになりがちだが、それでもひとつの出品物について落札者は一軒なわけで、必然的に落札額はお祭り価格となる。いつもの感覚で入札していてはほとんど買えないのが当り前なのである。 天井まで積み上げられた夥しい本にほとんど酔いながら入札する。どんどん入れる。全部買えたら破産するかもしれないが気にしない。適切な額で入札したものが全部買えることなどありえないのだ(そんなバカな、そんな考えではオマエ遠からず破産するぞ、と何者かが耳元で囁くかもしれないが気にしない)。結果、超貴重書や良書の口が高額で落札されていく間隙をぬって、まあまあの口をまあまあの点数、まあまあの金額で落とし、まあまあの出

伊藤熊太郎
18日、「吉祥寺パルコの古本祭り」補充。つい三日前にも補充していてさすがに頻繁に過ぎるかとも思ったが、新しく商品化した紙モノなどを客数が劇的に伸びる週末に当てたく参上。土曜日の会場はたいへんな人出。木曜日が休館日だったので、前回の補充のあとは実質金曜と土曜午前のみの営業だったにもかかわらずよく売れていて、補充分はあっという間に棚に吸い込まれる。本が売れることを実感する。ここはこんこんと希望の湧く泉のようである。 19日、品川へ。東京海洋大学付属図書館で開催されている展示「幻の魚類博物画家 伊藤熊太郎」に行く。明治から昭和にかけて活躍しながら忘れ去られ、生没年含めてその全貌が謎に包まれている博物画家・伊藤熊太郎。一時アメリカの依頼によってフィリピン沖の魚類調査に同行し、膨大な数の魚類図を描いた。故あって調査自体がお蔵入りになり、発表されなかったこの時の魚類図がスミソニアン博物館に所蔵され、1970年代にはこれらを一挙に展示した展覧会が催された。こういった経緯などから英語版のウィキペディアには熊太郎の項目があるが、日本語版にはなく、日本においてはほと