なんでも買います

1日、昨晩野球観戦のあと、池袋へ帰ろうとするTさんをひばりが丘で引きとめて遅くまで飲んだ。結果、使いものにならない一日を過ごす。映画の日。河瀬直美の『光』を観たかったが無理だった。

2日、上井草へ。SLOPEさん、井草ワニ園さん、それぞれ補充。SLOPEさんにはみすず書房・大人の本棚シリーズ『青柳瑞穂 骨董のある風景』、『ぼくの伯父さんの休暇』、『コーヒーの鬼がゆく 吉祥寺「もか」遺聞』など。ワニ園さんには志村ふくみ、庄野潤三、小川洋子、スーザン・ソンタグ、藤原新也など各ジャンルを追加。ワニ園さん店外の均一ワゴンは8割方入替。均一本の入替ペースをもっとあげ、補充の際には店外の均一本がすべて入れ替わるくらいにした方がいいのではないかと思う。ワニ園さんにおける売れ行きの一定部分を均一本が担っている。店外:店内の売上のバランスは街の古本屋の売れ方に似ているのではないかと思う。ならば日常使いできる古本屋として、お客様の目に触れる機会の多い均一本のワゴンの品揃えの変動が止まってはいけない。第一印象で「品物が動いている本屋」だと感じてもらうことは肝要。

夜、練馬区の創業セミナーでご一緒した方々と4人、石神井公園で飲む。うちのお一人がお遍路を終えて戻ってこられたのでお祝いを兼ねて。1200キロを歩き、東京に帰って量った体脂肪率は7パーセントだったとのこと。

3日、南部支部大市。入札し、そのまま開札の手伝い。入札したいものがない。品物のレベルが弊店のそれより高いとかどうとかというよりも、まず自分の取扱い範囲に当たる出品が少ない。古本業界で扱われる品物はジャンル・年代幅広い。一方でそれぞれの本屋には取り扱う品物の幅がそれぞれに(さまざまな要因によって)定まっており、だからいかに老舗の大店といえど何から何まで超一流の取り扱いはできない(と思う)。弊店のように、なんでも買い取れますという店があっても、実際は各ジャンルの専門業者が集合する市場を利用することで適正価格で取り扱えますよ、というのが真意であって、何もかもに精通しているという意味ではない(はずだ)。仮に「私は本のことなら何でも知っている」と公言する古本屋がいたら(古本屋でなくてもそういう人がいたら)、その人はあまりにも無知であろうから信用ならないと思います。閑話休題。南部大市では一点、マッチラベルや海外の煙草のパッケージ、服飾デザインの覚え書きなどをまとめた口に惹かれた。これでめいっぱい、と思いきった金額で入札したが、数百円差で取り逃した。

僕が「なんでも買います」と言っているのは実は嘘で、それじゃあと「曜変天目」とか「龍馬の日記」とかを持ちこまれたりしたら困るのであるが、古物商である以上そんな依頼もないとは言えない。まさか僕に国宝級のなにかが持ち込まれることなどはあるまいとタカをくくって何でも買うと吹聴しているのである。…とか言って、でもでも本当の本音を申し上げると、そんな依頼が来たら市場に委託出品するだけで家が建つかもしれないので、来てほしいとも思っているのである。だから誇大広告のそしりを受ける危険をはらんでいても「なんでも買います」はやめられない。「曜変天目(本物)」の買取依頼をお待ちしております。

井草ワニ園さん外の均一ワゴン。


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