素敵な趣味
8日、南部入札市。絵本、洋書、演劇、絵画、音楽、文学などさまざまなジャンルでそれぞれに欲しいと思うものがたくさん出ている。どれも競合する相手が多いことは目に見えている(または数は少なくとも強力な相手を向こうに回さなければならない)。大量に入札する。全然買えない。ほぼ全滅。これまでにない勝率の低さであった。こんな「いい本(=古本屋が商品として欲しいと思う本)」ばかりの口にはそもそもほとんど入札してこなかったのだから、これまでの勝率と比べても意味がない。いつもいい本の周りに落ちているおこぼれのような口のなかから、それでも手間をかけさえすれば商売になるものを選んで入札してきたのだ。なんとなればあまりにも資金が乏しかったから。「いい本」の口に入札するときはとても落札できまいというような札を入れるばかりだった。それがようやく「いい本」の口に現実的な額を入れられるようになった。今回の敗因はひとつひとつの出品ごとに異なると思う(詳細は割愛)が、真正面からある程度の資金をもって取り組んだぶん、いつになく悔しく、一方でこれまで見ているばかりだった土俵に上がった喜びのある一番だった。
開札作業の手伝いを途中で抜け出して桜台へ。明日本オープンを迎えるハウオリ・ポルーさんのオープニングパーティ。味と雰囲気抜群の店でイタリアンをいただく。あんな場所にあんな趣味のいい店があるとは。
9日、ヤフオク出品、アマゾン出品、ほか諸事。いろいろ仕事が重なって週末の「本の散歩展」が終わるまで気が抜けない。延々と淡々と、サボりサボりやろう。開業以来、夜遅くまで作業し、たまには徹夜したりしてきたが、もうやめることにした。遅くまで作業するようなことは「そこまでやればすっかり終わるから」「残りの仕事を全部今日の内に終わらせてしまおう」という目的があってやってきたのだけれど、いまはもう仕事が終わるなどということはない。ありがたいことに仕事は有り余っている。今日一日頑張ってもけして終わらず、疲労だけ残すのなら時間を決めて働いたほうがよほど効率が良い。働き方を変えるときだ。
でも独り家にこもって徹夜で本をいじくる楽しみをうばわれるなんて堪えられない。と思って、たまに徹夜仕事をする、というのを趣味にすることにした。
1958年に刊行されたプラハのガイドブックに収録された交通案内図。北欧クオリティ。