マンガでわかる

ヤフオク出品、ルート便受け取り、中央市、ルート便受け取り分の仕分けなど。

仕入れに混じっていた『マンガでわかる会計学』的な本を読む。

会計・経理に関するこの種の本は何十年も以前から出回っていていまもなお刊行され続けている。複雑難解で取っつきにくい分野だからこそ、マンガとの組み合わせによってその印象を和らげようとしてきたのだろうと思う。僕もその戦略にまんまとはまって入荷するたびパラパラと読む。

これらの本に眼を通す経験を数冊積み重ねて、近頃すこしずつ定石がわかってきたような気がする。すなわち、登場人物は往々にして「ビジネスを始めたい(または始めたばかりの)ズブの素人」×「専門家」の組み合わせ、冒頭口を開けば「わかんな~い、むずかしい~」などと弱音を吐くばかりの素人が、数ページ後には圧倒的な飲み込みの早さを見せてたちまち財務諸表の構造を完璧に理解、事業を展開すると業績は現実離れした上昇曲線を描いて発展、やがて明るい未来を予感させる大団円を迎える、というもの。なるほど読み切るだけならあっという間である。工夫と盛り上がりにとぼしいストーリーの上を読み手の視線はなめらかに滑る(なんだか進○ゼミの冊子を思い出すなあ。つい読んでしまう。こういうマンガには人を惹き付ける力があるのではないかしら。安心と信頼の「なにも起こらない」感)。だが読み進めるのと同時にこの「素人」の理解のペースについていくのは容易でない。専門家の質問に対して「あっ、これはさっき習ったぞ」とか「!!」などと独白する彼らの理解の速さはあまりにも常人離れしていてご都合主義的である。超人的潜在能力を持つ彼らが勝手にわかってしまうたび、読者は(僕は)焦りと悔しさに唇を噛みながら数ページ立ち返っては大きいコマか1ページまるごとを割いて書き込まれた「損益計算書」や「貸借対照表」の図とにらめっこする羽目になる。文字だけの会計経理の入門書にもありふれた四角形と文字の組み合わせによる説明図である。

この手のマンガを読むたびマンガである必要性に疑問を感じないではいられない。マンガでわかった試しがない。

昨日さかみち書店に並べた『洋書指南番』。「うろたえるな バーテン!」


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