書店ラベル
朝、買取ご相談のお電話を受ける。先日井草ワニ園さんでの補充作業中にお話させていただいたお客様のご紹介とのこと。ありがとうございます。出張棚をかまえて多くのお客様に認知されることや実際にお会いすることが買取依頼への近道だとあらためて実感。これが出張販売棚でなく自店になればその道はなお近くなるだろう。実店舗のありなしは売上だけでなく仕入れにも大きく影響する。
資料会に行って入札→中央市で買った猫関連本を仕分けて調布の搬入に間に合うよう事務所への配送を依頼。帰って吉祥寺の値札付け箱詰め作業。吉祥寺の準備をどうにか終える。
日々古本の整理に追われていると、表紙の裏(見返し)の隅に書店のラベルが貼り付けられている本に当たることがしばしばある(ラベルは古書店だけでなく新刊書店のものもある)。いまなお健在の老舗のラベルが貼られていることもあるが、いまはなき書店のものである場合も多い。人の手から手へ、書店から書店へ――。いっとき作業の手を止めて社会の波間を流れ流れる書物の長大な生涯に思いをはせる(本は、大切に扱われる幸運に浴すれば、彼らの主人たちよりも彼らを売った書店よりもずっと長く生きるのだ)。ラベルはそれぞれに意匠が異なり、なかにはたいへんに凝ったデザインのものもあって、書店ラベルだけを取り扱う愛好家がいても不思議ではないと思わされる(きっといるんだろうな)。一見そっけないものでもよくよく観察すると現在ではあまり見られないフォント(手製のものも多いだろう)や色づかいがほどこされ、大きくてもせいぜい1×4cm程度のサイズ感もあいまって、これがどうしてなかなかにかわゆいのである。
今日は1926年刊行の本の隅にロンドンの老舗フォイルズのラベルを見つけた。いまなお英国書店界の頂点に君臨する超有名店である。