29日正午、なんとなくひま、ゆったりした余裕のある気分でこの先数日間のスケジュールを立ててみると予定が立てこんでいる。明日でいいかぁ、と思っていた調布パルコの補充に断然行かねばならない。昼過ぎから準備、夕方借りた車で出発。帰ってからは翌日搬入予定の新規出張販売用の荷物を用意。全然余裕がない。
全然余裕がないさなか、駐車場から近いばかりに超大型新古書チェーンの自宅最寄り店に足を踏み入れる。ある作家(夏目漱石の弟子)の全集の端本がとてもここには書けない安値で並んでいて心臓麻痺を起こしそうになる。買い占める。(店で発見したときは揃いだと思っ...
27日、在庫の整理と市場出品用荷造り。事務所の一角を占拠し、目に入ると気分まで乱雑になるため見ないようにしていた本の山を崩すなど。ずいぶん片付いた。
28日、「吉祥寺パルコの古本市」補充。ちょうど文紀堂書店さんも補充にいらしていた。昨日一昨日と独り閉じこもって用意してきた紙モノ類を並べていると、「最近いいことがあって」と文紀さんに声をかけられる。聞けば、買取に行ったお宅で自分の店に依頼してくれた理由をお客様に尋ねたその答えのことだという。かいつまんで書くと次のようなことである。――ある日、本の整理を考えながらも依頼する古本屋を決めかね...
遅く起きる。終日家にこもって作業。不足備品の発注、アマゾンUP、吉祥寺パルコ補充用の紙モノ500枚超の値札付け、ヤフオクUPなど。これといって何も起こらず、ひらめきもあたらしい着想もなし。誰も訪ねてこない。電話が一度だけ鳴った。
値札付け作業をしながらドラマ『カルテット』を観る。坂元裕二脚本。来週も観よう。影響されて夜、唐揚げを食べる。アイスも食べようと思って買い忘れる。そういえば昼はたまたまホットサンドだった。
刊行年表記なし、おそらく19世紀末頃にパリで刊行された画家マルス(モーリス・ボンヴォワザン)のイラスト集『AUX BAINS...
「吉祥寺パルコの古本市」補充→資料会へ。資料会では19世紀末パリ刊行のイラスト集を1冊落札しただけ。ひょいと拾い上げて持って帰る。いつもこういう仕入れだけで商売ができると楽だ。風呂敷ひとつで商売をするというのは古本屋が持つ理想の最上級。軽くて高いものを少量売って暮らすのだ。駆け出しの身ではその真逆をやるしかない。重くて安いものを大量に買って売る。なるほど薄利多売かと思われるかもしれないがそれは違う。あなたがもし古本屋になったら間違っても「私は薄利多売ですから」などと先輩に向かって言ってはいけない。殊勝ぶったつもりでもかならずや「ほほ...
上井草へ。井草ワニ園古本棚とSLOPEさかみち書店の補充。
さかみち書店に補充した『星の王子さま』は裏見返しに書込みあり。昨日の準備作業中、最初の状態チェックでは気付かず、何の気なしに値札を貼ろうとするとどうも違和感があってななめからの光にかざして発見した。夜空を表現した黒に近い濃紺の下地に黒いマジックペンで書いてあり、一見するとそこに書込みがあるとは思えない。なんという陰湿な古本屋いじめだろう。泣く泣く格安値札に貼り替え、どうしてこんな秘密めいた書き方をしたのか、きっと恥ずかしいことでも書いてあるにちがいない、せめてもの腹いせにその...
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せめて店舗を出すまでは
明日をも知れぬ徒手空拳の新米古本屋が実店舗を構えるまでの実況中継